子ども・被災者支援法の現状
■子ども・被災者支援法
【概要】
被災者、避難者を支援するための法制度として、「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」があります。(以下、「子ども・被災者支援法」という。)
この子ども・被災者支援法は、平成24年6月21日に成立し、6月27日に公布、施行されました。この法律の目的は、被災者の生活を守り支えるための被災者生活支援等施策を推進し、もって被災者の不安の解消及び安定した生活の実現に寄与することとされています。
【目的】
(第1条)
東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故(以下「東京電力原子力事故」という。)により放出された放射性物質が広く拡散していること、当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないこと等のため、一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、又は居住していた者及び政府による避難に係る指示により避難を余儀なくされている者等が、健康上の不安を抱え、生活上の負担を強いられており、その支援の必要性が生じており、また当該支援に関し特に子どもへの配慮が求められている。
これに鑑み、子どもに特に配慮して行う被災者の生活支援等に関する施策の基本となる事項を定めることにより、被災者の生活を守り支えるための被災者生活支援等施策を推進し、被災者の不安の解消及び安定した生活の実現に寄与することを目的とする。
【経緯】
6月14日 | 参議院東日本大震災復興特別委員会 谷岡郁子議員、森まさこ議員他11名から同法律案草案提出 同委員会として同法律案を提出することについて全会一致で決定 同委員会委員長から同法律案を提出 |
6月15日 | 参議院本会議において全会一致で可決 |
6月19日 | 衆議院東日本大震災復興特別委員会において全会一致で可決 |
6月21日 | 衆議院本会議において全会一致で可決・成立 |
6月27日 | 公布(平成24年法律第48号)・施行 |
【基本理念】
(第2条)
(1)被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない。
(2)被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、被災者に対するいわれなき差別が生じないよう、適切な配慮がなされなければならない。
(3)被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、胎児を含む子どもが放射線による健康への影響を受けやすいことを踏まえ、子ども及び妊婦に対して特別の配慮がなされなければならない。
【国の責務等】
(1)国は、原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護すべき責任並びにこれまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、被災者生活支援等施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。(第3条)
(2)政府は、2の基本理念にのっとり、被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針を定めなければならない。(第5条)
【参考文書・ホームページ】
○資料81平成24年7月復興庁「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の
生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(概要)
http://www.reconstruction.go.jp/topics/08_6gaiyou.pdf
○福島の被災者・避難者に対する支援策の現状と課題
― 子ども・被災者支援法及び被災者支援施策パッケージを中心とした状況 ―
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2013pdf/20130603062.pdf
○参議院法制局>最近の主な成立参法
http://houseikyoku.sangiin.go.jp/bill/outline24048.htm
(3)母子・父子避難 |
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